3おお振り(ミハシ+タジマ)(私は9組が好き)
弟ができた!
俺が守ってやんなきゃなんなくて、目が離せなくて、危なっかしくて、兄って大変なんだなー、と16年間生きてきて初めて思った。それは仕方ない。だって、今までずっーと大家族の末っ子だったんだから。
みはしー、と呼ぶと俺の弟(仮)は嬉しそうに駆け寄ってくる。懐かれてるというか、頼られているというか、全然悪い気はしない。むしろちょー良い気分。
「なんか今日、調子良さそうだな」
「う うん!今日 は、 イッパイ 食べた、から」
「へー何喰ったの?」
それは、と答えようとした三橋の体がガク、っと上下に揺れた。あ、べくん、と三橋が怯えとも驚きとも区別が付きづらい声を出す。投球練習はじめっぞ、と阿部はぶっきらぼうに言った。そしてぐいぐいと三橋を引っ張っていってしまう。なんだよ、阿部はおーぼーだな!少し、腹が立った。
「阿部!今日は俺がキャッチャーやる」
「はあ!?」
阿部が不可解そうに大声を張り上げた。びく、と三橋がその声にビビる。俺はその三橋を目の端に眺めつつ、阿部を指さして言った。
「阿部って弟いるじゃん。だから、たまには三橋譲れよ!」
「はあ!?」
なんでそんな話になるんだよ、と混乱しているような阿部から三橋を引っぺがす。三橋も、阿部みたいな口うるさいにーちゃんより俺みたいなにーちゃんの方が良いに決まってるのだ。